はじめに:自宅でできるマウスピース矯正に潜む落とし穴とは?
最近「通院不要」「自宅で完結できるマウスピース矯正」といった広告を目にする機会が増えています。特に忙しい30代〜50代の方にとっては魅力的に見える選択肢かもしれません。
しかし、本当にそれで安全なのでしょうか?この記事では通院なしのマウスピース矯正のリスクと、歯科医院での定期チェックの重要性について解説します。
1)そもそもマウスピース矯正とは?
歯を徐々に動かす透明な装置
マウスピース矯正とは、透明なマウスピース(アライナー)を使って、少しずつ歯を動かしていく矯正治療です。代表的なブランドには「インビザライン」「シュアスマイル」などがあります。
特徴
- 目立ちにくい:透明な素材で作られており、装着していても周囲に気づかれにくいため、見た目が気になる方にも適しています。
- 取り外しが可能:食事や歯磨きの際に外すことができるため、衛生的で虫歯リスクの軽減にもつながります。
- 食事や歯磨きがしやすい:従来のワイヤー矯正に比べて口腔ケアがしやすく、ストレスを感じにくいのが特徴です。
2)自宅完結型マウスピース矯正の仕組みとは
最初にまとめてマウスピースが送られてくる
一部のオンライン矯正サービスでは、初回診断や歯型のスキャンのみで、その後すべてのマウスピースをまとめて渡され、自宅で自分で順番に装着していく形式をとっています。
メリット
- 通院不要で時間が節約できる:忙しい方にとっては、通院の手間が省けるのは大きな利点です。スケジュールを自分で管理できる自由度の高さも魅力です。
- 費用が比較的安価なことが多い:クリニックに通院しない分、設備費や人件費が抑えられ、比較的リーズナブルな価格設定がされていることが多くあります。
デメリット
- 経過観察がないためトラブルに気づきにくい:歯の動きが計画通りでない場合も、自己判断では気づけないことがあり、治療効果が下がるリスクがあります。
- 予定通りに歯が動かなかった場合の調整ができない:ズレが生じても、再スキャンや再計画の手続きが難しく、治療がストップしてしまうこともあります。
- 虫歯や歯周病の見落としリスクがある:矯正中は口腔内が不衛生になりやすいため、医師によるチェックがないと、むしろ健康を損なう可能性があります。
3)なぜ通院が必要なのか?
医師による定期チェックが安全のカギ
マウスピース矯正では、歯の動き方に個人差があります。そのため、実際の動きと計画にズレが生じることがあり、以下の理由から定期的な通院が不可欠です。
定期通院で行うこと
- 歯の動きの確認:計画通りに動いているか、微調整が必要かを診断します。必要に応じて再スキャンや治療の見直しを行います。
- マウスピースのフィット感チェック:歯の動きによってマウスピースが浮いてしまうことがあります。適切なフィットを保つためにチェックと調整が重要です。
- 歯周病や虫歯のチェック:矯正中は歯磨きが不十分になりがちなため、歯科医師が定期的にお口の状態を確認します。
- 必要に応じた治療計画の修正:歯の動きにズレがある場合は、治療計画そのものを変更する必要があります。これにより、最終的な仕上がりが大きく左右されます。
通院がないと、これらのチェックが行われず、最悪の場合治療のやり直しが必要になることもあります。
4)こんな方は通院型がおすすめ!
自分での管理が不安な方
マウスピースの交換タイミングや装着時間の管理が自己責任になる自宅完結型では、うっかり忘れてしまうことが結果に大きく響きます。医師による指導があることで、安心して継続できます。
歯周病・虫歯の既往がある方
既に歯周病や虫歯の治療歴がある方は、矯正によって悪化するリスクもあります。歯科医院での定期的なチェックによって、問題の早期発見と治療が可能になります。
精密な仕上がりを求める方
理想的な噛み合わせや見た目を追求するには、歯科医師による微調整や最終確認が欠かせません。満足度の高い結果を求めるなら、通院型の方が安心です。
おわりに…安心・安全なマウスピース矯正を選ぶなら
大山歯科医院では、インビザラインやシュアスマイルを用いた通院型マウスピース矯正を提供しています。患者様からしたら、全てのマウスピースを最初に渡してもらった方が楽というのも分かります。しかし、大山歯科ではそのようなやり方を取りません。1月に一回は来院いただき、マウスピースの装着具合や、歯の動き、虫歯や歯周病が進行していないかなど、様々なチェックをします。そして、必要に応じて治療計画を変更したり、再度印象を取ったりさせていただきます。
大山歯科では無料の矯正相談を実施しています。マウスピース矯正に興味があるという方は、ぜひ当医院へお越しください。
